毎年、進級すると新年度書類を山のように持って帰ってきては、ゲンナリしますよね~。
今まさにお母さんたちはそのピークを迎えてるか、ひと段落した頃でしょうか。
その中に、健康診断書類があると思います。
「側弯症」を知っていますか?
毎年、進級すると持ち帰る書類の中に、運動器学校検診の書類があるかと思います。
こういう図が描かれた書類を持ち帰るでしょ?
これは、おうちでできる簡易的な側弯症診断の目視方法なんですが。
うちの娘がこの目視判断で発覚したのは、中学生に上がってからでした。
ちょうど時期的に、身長が急に伸びだした頃でしたが、側弯症はこの成長期に出やすいそうです。とくに女の子の方が発症が多いとの事。
娘の場合は、
- 左に傾き正面から見ると右肩が上がっている状態
- 前かがみにさせると背中の右半分ふくらみ左右対称ではなく、ねじれも生じてました。
これが発覚した時は、娘を怖がらせたくはなかったけどもほんとに驚いて不安になったもんです…。
「背骨が曲がってる…」側弯症治療の始まりは、学校からのお便り
側弯症という名称は知っていましたし、毎年、進級時のプリントもらってくると娘の体はチェックしていました。
目視確認をして左右差を確認してから、学校へは書類を提出はしましたが、すぐ近所の整形外科へ行ってみました。
コブ角=背骨の傾きの角度は25度以上で要診察
レントゲンを撮って、診察室へ呼ばれレントゲン写真を見ると、左右にS字カーブを描く娘の背骨が映っていました。
整形外科
側弯症ですね~…ですが、うちでは専門的な診断ができないので、お子さんもまだ成長期ですし、こども病院を紹介しますね。
その地元の先生でも、コブ角はざっくりみてみても当時で25度といわれて。
25度以上は、要診察レベルなんだそうです。
コブ角は、レントゲン写真上で医師が測るものなので±5度くらいの誤差が生じるもの。
ということで、こども病院の整形・脊椎外科の先生を紹介されました。
紹介されたのは、側弯症の専門医で日本側弯症学会の理事もされている先生でした。
側弯症の種類と娘の診断
側弯症にも種類があって、大きく分けてふたつ。
①原因が明らかな側弯症
②成長期に現れやすい原因不明=「特発性」の側弯症
先天性(生まれつき)の背骨の奇形、神経・筋原性(神経や筋肉に原因がある)や結合織異常(身体を支える組織の異常)、外傷、腫瘍など、原因となるものが明らかな側弯症のほか、特に原因のないものがあります。 これを特発性側弯症といい、脊柱側弯症の80%以上を占めます
脊柱側弯症 (せきちゅうそくわんしょう)とは | 済生会
娘の診断名は、この原因がわかっていない②「特発性側弯症」でした。
「突発性」側弯症という人もいますが、「特発性」と音が似ていて間違って覚えてる方もいるようですね!
成長期に25度未満でも医師による観察が必要
目視するときに、私の経験上ぜひ試してほしい確認方法は、
何も着ていない状態で背中を見てあげてください。
そして直立の状態で、親御さんが人差し指と中指でお子さんの背骨の両脇をたどるようにして背骨をなぞって(こうすると私は子供の背骨の湾曲がよくわかりました。)みてください。
衣服のシワや凹凸でわかりにくいときがありました。
筋肉の隆起で曲線がわからないときがあるので、目視だけじゃなく、背骨をなぞって線を見てあげてください。
カーブが緩やかな軽症でも、成長期で一気に身長が伸びる時期と同じころに、カーブも強くなる傾向があるそうなので、素人判断はお勧めしません。必ず一度病院で診てもらってください。
軽症・軽度を侮るなかれ、側弯症は進行します!
なぜなら。
あくまでも娘の場合ですが、進行本人は何ら自覚症状がありません。
でもお子さんによっては、腰痛とか背中の張りとかもあるようですが、じわじわと進むこともあって、慢性的に凝っていると、症状には本人は張りにすら気づけないからです。
だから、学校の提出書類的には1年に一度だけど、半年に一度、確認するためにも、
●前屈した時の背中の高さの左右差
●直立してるときの両肩の高さの左右差や肩甲骨の位置の左右差
●体つきが変わってきたころには、直立した時のくびれ具合いの左右差
目視確認できるようなら、そうでなくても気になるようなら、医療機関にかかって定期的に検査確認をしてほしいなと思います。
側弯症の治療方法は?
さて、こども病院で細かく検査を受け、娘の場合は、この中の写真だと軽症と中等症の間ぐらいで、特発性側弯症の診断が出たわけですが。
診断時に、医師から衝撃の事実を聞かされます。
治療方法は装具療法か手術療法?!
検査ののち、診察室に通されて先生から受けた説明は次のとおりでした。
(特発性側弯症は、)治療方法というよりも、装具(コルセット)の着用をして、少なくとも成長期が過ぎるまでは進行を阻止するようにするしかありません。
治療=元に戻す方法が見つかっていないんですね、特発性=原因不明だけに…。
地元で側弯症だと聞かされて、ネットで事前に色々調べてはいたのでそこまでは驚かないですが専門医から改めて言われるとやっぱりショックでした。
ちなみに治療目安としてはこのような↓目安があるようです。
側弯症の手術条件は?
一般的には、側弯の角度が25°以上であれば装具治療が必要であり、40°から50°以上であれば手術治療を考慮します。
側弯症について 治療について 手術について
娘は当時25~30度あたり(±5度は誤差範囲)をウロウロしてました。
手術考慮の範囲には達していなかった分ほっとしてましたが、成長期真っ最中だったので不安要素は消えませんでした。
身長の伸びと同時にカーブが強くなったら手術もありえるのかな…とよぎるんです。
装具(コルセット)を作る
今できることは、進行を少しでも抑えるためにコルセットを作りましょう
先生からはコルセット作成を勧められて、装具業者の方がいらっしゃる別室に通されます。
装具は、石膏で型どりをして、何種類かある無地・模様のものからデザインが選べて、納期は一か月、当時コロナ禍もあり宅配される段取りでした。
ちょうど夏の時期で薄着だったのでインナーシャツの上からラップを上半身から腰下あたりくらいまでグルグルと巻かれます。
Tiktokで同様の動画を見つけたので拝借して…。
おそらくこちらも福岡こども病院でだと思われますが、こちらの同じ業者さんの方にうちの娘も型取りして頂きました。
@chiees 5年ほど前の動画 側湾症の長女のコルセット作成時。 型を外す時の長女、天然過ぎる???? #側彎症 #コルセットの型取り ♬ オリジナル楽曲 – 白飯には塩サバ
こうやって型取りは進められます。
コルセットの装着時間
これは症状によりけりだそうで、「あくまでもうちの子の場合は」と前置きしておきますが、うちの子の場合は、就寝時のみ装着、が先生から提案された条件でした。
うちの子の場合は成長期中盤~後半だったので進行もこれ以上ひどく進むことは無いだろう?という判断なのか、その装着時間が短かったようです。
コルセットを開始する時期が早い=成長期が終わるまで時間がある、
もしくは
角度が強いなど症状や状況によって装着時間も様々に異なるようです。
装着は、後ろでベルト締めしてマジックテープで留めるるものだったので、自分で脱着もできず親の協力が必須となります。
最初は緩めから始めて、だんだんとベルトを締めていくことで慣らしていきました。
症状が強くなっていくと、24時間装着などもあるようで、学校でも装着することになります。
体育の授業で着替える時は、装具の構造上、自分で取り外し・装着はできないので保健室の先生にお願いするとか、学校側にも協力をお願いすることになるそうです。
かゆみ、赤み、色素沈着が出たら装着休憩
夏場だったこともあり、代謝のいい子供には汗疹やカブレの心配もありました。
実際、夏の夜は暑くて夜中起きてきては「はずして~~、暑くて眠れない」という日も度々ありましたし、眠れても翌朝かゆいと言って赤みが出たり、慣れてくると色素沈着もしかけていたりと、結構装着時間が定着するまで時間がかかりました。
コルセットは医療費控除対象、その費用
医療用装具は医療費控除となるので、いくらか戻ってきます。
うちの場合は当時で8万弱支払って、後日、4万ちょっと戻ってきました。
自治体にもよりますが、現在の福岡ではこども医療費助成によって数百円の負担でよくなっているようです。
側弯症も早期発見がいい!…でも進むときは進む
側弯症は、コルセットで進行を阻止しようとしても、進むときは進んでしまうそうです。
コルセットができたからとはいっても、毎回定期健診ではコブ角を診察室で聞くのにドキドキしてました。
服を着てるとパッと見わからないのが側弯症。
子供の成長とともに、親が子の裸を見る機会はだんだんと減っていくのでなおさら早期発見を見逃しがちになるのかもしれません。少なくともうちは、中学校で発覚したのでそうでした。
気づいた時には手術適用角度、とかも珍しくはないそうです。
少しでも軽症の時に気づければ、進行を少しでも阻止できる可能性は上がると思います。
それでも進むときは進むらしいですが…。治療もイチかバチかではありますができることはしてあげたいのが親心ですもんね。
子供は自分の体を見て、少しずつの変化だったりするので自分自身では気づかなかったり放置しがちだったりもします。
だから、時々お子さんの背中をチェックしてあげてくださいね。
コルセット以外に側弯症に何かできることは?
コルセットを作ることにはなりましたが、民間療法でもできることがないかなぁと色々探してみました。
整骨院とカイロプラクティックの違い
民間療法で身近にあるものだと、整骨院が最近ではとても増えました。
保険で治療もできるところがある整骨院は、経済的にも手軽に思います。
一方、カイロプラクティックは、日本で医療として認められていないので自由診療とされ保険適用外になり全額自己負担となります。
そしてうちはどちらにもお世話になりました。
ところで、整骨院とカイロプラクティック、この二つの違いをご存知ですか?
うちの子も整骨院とカイロプラクティック療法施術を受けてみましたが、この違いは最初知りませんでした。
ちなみにカイロプラクターの先生曰く、
体が柔らかい人ほど改善の余地はある場合が多いそうです。
ものすごーく簡単に説明をすると
整骨院
「整骨」と書くだけに、骨を診てくれるようにも思いますが、正確には「骨を支えている筋肉」と「外傷的骨の損傷」の専門家だと私は解釈しています。
柔道整復師が施術する、筋肉や骨のケガ(骨折や脱臼)の調整をするところだなと認識してます。
「骨盤矯正」や「O脚矯正」も、よく施術内容でみかけますが、骨盤や脚の骨を支えている筋肉やそのコリを調整して整えるのが整骨院での治療といわれる部分のようです。
娘の場合は、側弯症の傾きによって凝り固まった背中などの筋肉をほぐす対症療法的な施術がメインでした。
カイロプラクティック
”カイロプラクティックは、脊椎を中心とした身体の構造と機能に注目した手技療法を特徴とするヘルスケア(広義の医療)である。施術法は様々で、主に脊椎やその他の身体部位を調整することにより、痛みの軽減、関節可動域や機能の改善、身体の自然治癒力を高めることを目的としている。”
カイロプラクティックとは – About Chiropractic
カイロプラクティックは、背骨とそこにまつわる神経の調整をするところだと認識してます。
頸椎(首の骨)の部分から骨盤まで背骨でつながってますが、そこを中心的に調整することで体の自律神経等に働きかけて体を整えていく感じでした。
娘の場合は、アクティベーターという痛みはないけどカチンカチンとワンタッチボールペンのような音がする道具を背骨にあてがいながらほぐして調整して、両足の長さをそろえたり、全身の骨のバランスを整える施術がメインでした。
側弯症に特化した整体院「大塚整体治療院」
側弯症に特化した整体院というのがあるそうで、私も調べ当たったことがあるところ。
初診は来院して、3回目以降オンライン対応ができるようです。
そこで、やっている治療方法に、側弯症体操と独自の木型で進められているようですね。
そしてその創設者が書いている書籍も一緒に紹介しておきます。
ちなみに、私が娘を連れて行っていた太宰府にあるカイロプラクティックにもこの書籍は置いてありました。
「大塚整体院」創設者の書籍
整骨院とカイロプラクティックの使い分け
側弯症が進むと、腰痛・背中痛など症状が出る場合もあります。
それが筋肉によるもの、張りなどなら、対症療法として整骨院で体をほぐしてもらうのはいいと思います。
姿勢についてのアドバイスもしてくれますしね。
ただ、整骨院といえど側弯症はやっぱり原因不明だけに側弯症に特化した整骨院・整体院でなければ具体的な改善のアドバイスは期待できません。
そしてカイロプラクティックでは、月1ペースで一時期通ってましたが、毎回体重の左右の偏りなども見てくれるし、娘も6回目くらいには少しカーブが緩やかになることも目視で確認できるほどにはありました。
改善はしなくても、進行の阻止には助けになったかなと思います。
ただ日ごろから、姿勢を意識しておくことは大事で、カイロプラクティックも自由診療なので決して安くはありません。
だけど整骨院よりは多少改善が見られたし、幼い子ほど改善しやすいともカイロプラクターの先生は仰っていたので、成長期ほど早いうちから試す価値はあると思います。
まとめ
側弯症は、先天性のものでなければ遺伝性はあまりないようですが、うちの子の「特発性側弯症」も含めて、完全改善というのはとても難しいことなんだと思います。
高校へ進学して、つい先日も定期健診へ行きましたが、毎回身体測定をして今回と前回で身長の伸びがほとんどなかったことから、急激に成長する時期は抜け出したとみて、今後急に悪化することはそこまでないでしょうという判断から「定期健診は終了しましょうか」と先生からおっしゃっていただけました。
娘の側弯症は、「成人してからも進行があるようだったら「こども病院」で診察しますのでいつでも来られてください」とおっしゃっていただけたので、観察しながら悪化しないことを祈っています。
これからも、側弯症や姿勢からくる腰痛やコリが生じた場合には、整骨院で対処していき、時々背骨の目視確認もしていこうと思います。
余談
諸説ありますが、うちの子は側弯症・起立性調節障害・小麦アレルギ―があります。
一見、骨・自律神経・食物アレルギーとつながりがなさそうですが、アレルギー科の先生に言わせると、起立性調節障害を持っている子はアレルギー体質の子が多いと言われてました。
そして背骨=脊椎の中を通る神経も起立性調節障害にかかわってくるわけです。
さらには、側弯症は神経のゆがみから来ているのか、はたまた、背骨がゆがむから神経もゆがむのか…そこはまだ明確になっていないとの事。
側弯症・起立性調節障害・小麦アレルギ―と色々持っているようで、実はひとつなのかもな、と今はとらえています。そして本人も「すぐ治るものではない」ことも理解しているので、「病気」ととらえず「体質」「個性」として長く付き合う心構えでいるようです。
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