10年近く一緒にいて、そのうちの結婚生活で見た特性のエピソードの記録です。
アスペルガー症候群と言っても、特性と言われる部分は本人の性格とアスペルガー症候群の特性の融合として個性様々です。
また軽度から重度までありますが、詳細は私はわかりません。
ですが、これから書く内容は、実際に私の過去10年以内に起きたアスペルガー症候群&ADHD併存の男性との結婚生活の中でのエピソードです。
…あれ、…何か、この状況おかしい?「多弁」
元々私は彼のことを「彼は変わり者・個性派」とおもっていて、彼もそれを自覚していて、そんな彼と結婚した私も変わり者だね、と夫婦での共通認識でした。
彼には、おしゃべりに熱が入ると止まらなくなる特徴=発達障害の特徴でもある「多弁」がありました。
ただのマシンガントークではありません。でも「おしゃべりな人」という最初からの印象もあったので、違和感を感じることは最初からはなかったんです。
彼の「多弁」は、相槌を打つ暇も与えてくれないほどに喋りまくり、その間、私の目は見ていなくて宙を見てひたすら一方的に、10分、30分、50分…気が済むまところまで喋りまくります。
喋りまくってる最中に、私がトイレに行くと、トイレにまでついてくる多弁ぶりでした。
(当時は彼が私に甘えてるんだと思ってましたが、私ものんきなもんだったからよかったんです)
これ、彼もおしゃべりを止められないんですよね。
だけど、恋人が夫婦になり、同じ空間で過ごす時間がふえて、話題も恋人関係から家族・子供の話へとシフトしていきました。
それでもマシンガントークは、場面や内容・タイミングを問わず唐突に出ては、聞き手側になる私は、その多弁の圧に苦痛を感じるようになっていきました。
その多弁の内容が、私に対して気に食わない事への愚痴や首長だったりすると、もう本当に苦痛でしかありませんでした。
何度発狂しそうになったことか…。
この多弁をキッカケに、初めて自分の身に降りかかる「発達障害」を調べ始めたんです。
エピソード
「多弁」
たとえば、夫婦間の会話の中でちょっとした解釈の食い違いがあったら、普通なら
「あ、そういう意味じゃなかったの、言い方が悪かったね。
こういうつもりで言ったんだよ。」
って一言で終わるやり取り。
だけど、多弁がここで出ると、
「なんでそういう言い方になるの?」
「僕は~だと思って話してたのに」
「そもそも、仕事でこういう場面があったら大きなミスにつながるんだよ?」
…等等
私の感覚としては、10倍くらいの言語ボリュームで返ってくるわけです。
話は飛躍するし、自他の境界の曖昧さから自分の理解できるように伝えてくれてない事に彼の苛立ちも加わり、性格上も短気な彼は多弁が発動しやすかったので、毎回こんなやり取りがあると、説教っぽいないようで多弁に圧倒されるようになりました。
発達障害だとわかって彼にシェアした後、私が多弁の聞き手にいるときは、そのおしゃべりを止めようとして、手を叩いてみたり、不意打ちの行動をしてみても一瞬黙るけど、そのまま止まらず再会して、多弁で怒られてる時は只管責められる内容で止まらないわけです。
特性発動に対策を講じようと模索もしました。
そのために彼をじっと観察することもありました。
でも、どれだけ対策を講じても、改善するわけがないんですよね。
被害妄想が激しい
なぜか彼の物言いはいつも「自分が被害被る側を想定した話」でした。
被害妄想が激しいのも、実は発達障害の特徴です。
そして被害妄想が強いために、被害被りたくない気持ちが強くいつもいつも損得勘定をしていました。
「自分が他人からどう見られているか」
これを人から監視されてるくらいの強迫観念に値するほどのレベルで気にしていました。
周囲への反応が即被害的なんです。
目立ちたくない、取引先の人にあってもバレたくない、そう言ってオンオフで彼の見た目は結構差がありました。
だけど、身につけるものは割と高価なもので、乗る車も派手な目立つ車。
目立ちたがりだけどプライベートは隠しておきたい、この矛盾がある不思議な価値観でした。これも何かしら影響受けての価値観なんでしょうけど。
エピソード
「疑心暗鬼」
彼は車が大好きで。
手の届く範囲なら何が何でも買う人でした。
盗難率の高い車種や、高級車が多かったからなのか、大好きでこだわりあるものだからか、愛車が狙われている言い方をよくしていました。
家族以外、みんな敵なの?と思うこともあるほど、狙われている・悪い人かもしれない、の姿勢が基本でした。
「ご近所さんから車にいたずらされるかもしれない」
「車が盗まれるかもしれない」
「近所の子供らが家の敷地内まで入り込んで車を傷つけられるかもしれない」
狙われるような事があったわけでもないんです。
しいて言えば、所有している車が、高級車だったり、盗難されやすい車種の場合もあった、くらいでしょうか。
そして実際、ボールがころがって敷地内に子供が侵入したことはあったかもしれませんが、それが映り込んでたら、そのお宅までクレームを言いにいく勢い=被害者だと言わんばかりの勢いで、防犯カメラまでつけていました。
情緒的な相互関係が築けない、共感力の限界
アスペルガーの特性の一つとして、興味や感情、愛情など相手と共有できる割合が少ないために、思いやりに欠けた関わり方をしたり言葉のキャッチボールが難しいです。
アスペルガーは「共有できる割合」が少ないので、私はこの「情緒の交換」=気持ちを通わせるができず、想いが伝わらず、だけど彼自身は聞き入れたつもりでいる。
たとえば。
私は100ccの想いを伝えても、
彼は10ccを受け取る容量しか持ち合わせてない。
私は100%伝えたつもりでいて、
彼も100%で受け止めたつもりでいるけど、
私が受け止めてほしい100%=100ccの内、
彼の100%=10ccしか受け取れない。
互いの100%を伝えた・受け取ったつもりでいても、実際に伝えたかった事が要求だったなら、実際私に返ってくる「要求の答え」は10ccしか、もしくは見当違いな方向からしか返ってこない。
これで私が
「足りない!わかってない!そうじゃない!」
と主張しても、
彼は「僕の全力で応じた!わかってる!」という。
このすれ違いの繰り返し。
(言い合いすると多弁が発動するので、私が途中からは飲み込んでいました)
「相手の立場から感情や気持ちを想像することが苦手」といったアスペルガーの特徴が、人間関係を営む上で、相手に心理的な負担を与えるワケです。
エピソード①
「寄り添えない」
お酒の席で年配者と同席すると(その話この前も聞いたよぉ~~~またこの話かよ~~~~)ってことがあるでしょ。
実家に集まって、両親交えてるときに、うちの父がよく2号相手に同じ話を繰り返しがちで。
再婚してしばらくは、同じ話を繰り返していても相槌を打って聞いてくれてては、自宅に帰って
2号:お義父さん、また同じ話してたねぇ~
って、帰宅してから夫婦間で話してたんです。
でも…
再婚して数年が過ぎたころ、彼の本来の「周囲に気を遣わず気質そのままのナチュラルな素顔」=発達障害の気質をありのままに出てくるようになってきてからは、
父:○○君、僕も昔は~でね…
2号:お義父さん、その話もう聞きましたからっ!
その話はもう結構です!
と、ピシャリと話を遮ってしまうようになりました。
酒の入った父は、ただ聞いてほしいだけだったわけだけど。
遮り方が冷たかったんですよね、何度も同じ話を聞きたくないのはわかるけども。
さすがにそれを見ていて、「父に失礼じゃない?」と私も思ってはいたんだけど、普段から彼なりに私の家族を大事にしてくれてたのも見えてたので、ちょっと一歩踏み込んで言ってみたのかな?と当時は様子を見ていたのです。
でもこれがビジネスモードで相手が得意先だと、装うことができるので失礼がないように対応できるんですよね。
…ん?単純に自己中だったのだろうか???
ただやっぱり、「言われた側がどう感じるかの想像力」が乏しいために、一見冷たいと思われる発言も普段から少なくありませんでした。
エピソード②
彼は欲しい車がありました。
外国製の車でした。
元々乗っていた外国製の車のローンもまだ終わっていませんでしたが、どうしても彼は乗り換えたかった。
お金の工面の話で2号と話し合いをしたとき、私は
「娘(当時中2)が大学や専門学校に行くかもしれない、これからお金がまだかかるのに?」
という内容の話をしました。
すると彼は
「大学・専門も行かないかもしれないじゃん?」
ニヤッとして言ったんです。
自分のやりたい事が子供の未来より優先したかったことに、悲しくなりました。悲しくて言い返す気力も削がれました。
彼は時々ツイッターとかで、「有言実行」「願えば叶う」という言葉を良くつぶやいてたんですが、彼の「願いをかなえる」というのは、周囲の意見なんて関係なく、願望を押しとおすことで、「叶う」としていました。
アスペルガーの解説記事でも見かけましたがそれによれば、
アスペルガー症候群の人は、物事の強引な展開をすることで「叶う」と誤解していることもあるんだそうで、それに当てはまるなぁと思っています。
実際、家計のお金を使って車を買い替えるときに、私と彼との信頼の崩壊は
「(車を買うことに反対した私に対して)反対意見は聞切れないから」
と断言されたことも大きなきっかけの一つです。
まとめ
一見ただのわがままにも見える特性。
強引なタイプの人もいれば、穏やかな受動型の場合もあります。
でも一つ言えるのは、定型発達である側が彼の特性と手段に合わせるしかありません。
自分自身が壊れそうだと思ったら、離れることも手段です。
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